ひと昔前は壁付きキッチンが主流でしたが、現在ではペニンシュラキッチンやアイランドキッチンなど、対面型のキッチンが人気となっています。
ペニンシュラキッチンは開放的でメリットも多くありますが、実はメリットがデメリットになる場合もあるため注意が必要です。
このコラムでは、ペニンシュラキッチンの特徴やレイアウトの種類を紹介します。
メリット・デメリットについても解説するので、参考にしてみてください。

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ペニンシュラキッチンとは、対面式キッチンの一種で、キッチンの左右どちらかが壁に接しています。

英語で「半島」を意味する「ペニンシュラ（peninsula）」に由来しており、キッチン部分が半島のように突き出ていることからその名前が付けられています。

ペニンシュラキッチンは対面式のため、キッチンでの作業中も家族とのコミュニケーションが取りやすいのが魅力の一つです。

リビングやキッチンに開放感が欲しい方は、ペニンシュラキッチンの導入を検討してみましょう。

オープンタイプ・セミオープンタイプの違い

ペニンシュラキッチンにはオープンタイプ・セミオープンタイプの2種類があり、特徴が異なります。

それぞれの特徴を知って、自宅の間取りや好みに合わせて選択しましょう。

オープンタイプ

オープンタイプはダイニングとの間に壁など遮るものがないため、リビング・ダイニングと一体となっており開放感があるのが特徴です。

コンロやシンクが露出しているため片側だけでなく、向かい側からも料理の盛り付けや洗い物などができます。

複数人でキッチンを使用する場合や、配膳などを手伝ってもらう際に使い勝手の良いキッチンといえます。

キッチンがオープンになっているため、キッチンを見せる空間として活用したい方におすすめです。

家族みんなでキッチンを使用したい方や開放的な空間を演出したい場合は、オープンタイプのペニンシュラキッチンを検討してみましょう。

セミオープンタイプ

セミオープンタイプのペニンシュラキッチンは、シンクやコンロの前に壁や吊り戸棚などが設置してあり汚れが飛びにくいのが特徴です。

部分的に吊り戸棚や低い壁などを設置すると、収納力も高まります。

セミオープンタイプは作業中の手元を隠せたり、料理のにおいや煙がダイニングに広がりにくいメリットもあります。

家族が多く収納力が欲しい方や、来客時にキッチンを隠したい方はセミオープンタイプを検討してみましょう。

レイアウトの種類

ペニンシュラキッチンはカウンターキッチンの一種であり、さまざまなレイアウトの種類があります。

それぞれ特徴がやメリットがあるため、お好みのレイアウトを楽しみましょう。

• I型：調理台とコンロ・シンクが一列に並んだタイプで、ペニンシュラキッチンの定番の形です。一列に並んでいるため作業効率が良く、背面に収納棚を設置します。
• L型：コンロとシンクが90度になるように配置されたキッチンで、動線が短く効率的に作業ができます。I型に比べキッチンの奥行きが必要になります。
• II型：コンロとシンクのカウンターが前後2列に分かれており、広々としたスペースが確保できます。
• コの字型（U型）：キッチンがコの字型になっており、ほかのレイアウトよりも作業スペースや収納がしっかりと確保できます。

ペニンシュラキッチンには解放感や家族とのコミュニケーションの取りやすさなど様々なメリットがあります。

どのキッチンにしようか迷っている方は、ぜひ、参考にしてみてください。

開放的

ペニンシュラキッチンは対面キッチンのため、解放感を感じられます。

壁に向かって作業をする壁付けキッチンに比べ、リビングに向いており開放的な空間で作業できます。

リビングとキッチンを隔てる壁がないため、LDKを広々と感じられる点もメリットです。

キッチンの閉鎖的な空間で作業したくない、家族の集まるLDKを開放的な空間にしたいと考えている方にはペニンシュラキッチンを導入してみましょう。

コミュニケーションが取りやすい

ペニンシュラキッチンは壁付けキッチンなど他のキッチンに比べ、作業中に家族とのコミュニケーションが取りやすい点が大きなメリットといえます。

対面型キッチンのためリビングやダイニングにいる家族と向き合っており、料理中もコミュニケーションが取りやすくなっています。

キッチンでの作業中も小さな子供や高齢の家族から目を離さずに済むため、緊急時もすぐに対応できます。

家事の合間にも家族とのコミュニケーションを重要視する方には、対面型のペニンシュラキッチンがおすすめです。

間取りの自由度が高い

ペニンシュラキッチンは左右どちらでも壁に取り付けられ、比較的限られたスペースにも設置できるため間取りの自由度が高いといえます。

対面型のアイランドキッチンでは両サイドに通路を確保しなければならず、設置するには広いスペースが必要です。

一方、ペニンシュラキッチンはさまざまなレイアウトも可能で、新築・リフォームどちらでも導入しやすいキッチンといえます。

ペニンシュラキッチンはリビング側にカウンターを設置することも可能で、キッチンの一部をテーブル代わりに使うこともできます。

他のキッチンと比べて設置スペースが少なく済み、間取りの自由度も高いためリフォームでも人気です。

メリットの多いペニンシュラキッチンですが、デメリットもいくつかあります。

特に、メリットとして紹介した開放感が、デメリットにつながる場合もあるため注意が必要です。

ここでは、ペニンシュラキッチンのデメリットを紹介するため、導入後に後悔しないようしっかりと把握しておきましょう。

ニオイや煙が広がりやすい

ペニンシュラキッチンの最大のデメリットは、調理中のニオイや煙が部屋中に広がってしまう点です。

開放的なキッチンのため、換気扇を回してもニオイや煙を解消できない場合が少なくありません。

ソファやカーテンなどにニオイが染みついてしまうため、リビング・ダイニングの消臭対策や定期的な換気が必要です。

ペニンシュラキッチンの開放感が、ニオイや煙などのデメリットにもなってしまうため導入前にしっかりと把握しておきましょう。

収納スペースが少ない

ペニンシュラキッチンは開放的な空間を実現するために、収納スペースが少ないケースがあります。

より開放的な空間にするためにオープンタイプのペニンシュラキッチンを選択する方も多くいますが、吊り戸棚や収納がなくキッチン周りが散らかってしまう場合があります。

キッチンは元々調理器具や食器で散らかりやすい場所なため、収納の少ないペニンシュラキッチンは収納棚やパントリーの設置など収納計画が重要です。

油はね・水はねに注意が必要

ペニンシュラキッチンは調理中の油はね・水はねが起こりやすいため注意が必要です。

壁付きキッチンと異なりリビングやダイニングと対面しているため、遮るものがなく油はね・水はねにより汚れやすくなります。

透明タイプのパーテーションは開放感やデザイン性を保ちながら、ダイニング側への飛び散りを防げます。

しかし、パーテーションの油はねや水はねの汚れが、リビング・ダイニング側から目についてしまうためこまめな掃除が必要です。

ペニンシュラキッチンは開放的な分、調理中の油や洗い物中の水はねがあることを把握しておきましょう。

ペニンシュラキッチンを導入する際は、後悔のないようにレイアウトやコンセントの設置数などを確認しておきましょう。

ここでは、ペニンシュラキッチンを選ぶときのポイントを解説するため、導入を検討している方は参考にしてみてください。

設置スペースの確認

ペニンシュラキッチンを導入する際はキッチンのサイズだけでなく、作業動線などを踏まえて設置スペースを確保しましょう。

キッチン台から冷蔵庫や食器棚まで遠いと、動線が長くなりすぎてしまい使いにくいキッチンになってしまいます。

使用頻度の高い場所から2歩～3歩程度、120cm以上の動線が最適と言われています。

ペニンシュラキッチンを導入する際は実際の動線をイメージし、最適な広さで設置しましょう。

ワークトップの素材

天板（ワークトップ）の素材にはいくつか種類があるため、機能性や好みに合わせて選択しましょう。

ステンレス

ステンレス製のワークトップは最も多く用いられている素材で、耐久性・耐水性・耐熱性に優れています。

人工大理石に比べると価格も低く、導入しやすい素材といえます。

金属製のためデザイン的にクールな印象になりやすく、インテリアとの相性を考慮しましょう。

人工大理石

人工大理石は大理石に似せた樹脂製の化学合成素材で作られており、細かい傷や水あかが目立ちにくいのが特徴です。

耐熱性が低い製品が多くありましたが、最近では耐熱性も高まり通常に使用していれば特に問題ありません。

ステンレスに比べると少々価格は高くなりますが、デザイン性にこだわりたい方におすすめです。

セラミック

セラミック製のワークトップは撥耐水性・耐久性・耐熱性に優れており、近年人気が高まっています。

特に、耐熱性が高く短時間であれば、高温の鍋も直に置くことが可能です。

傷や汚れが付きにくくお手入れも簡単ですが、他の素材に比べ価格が高くなっています。

コンセントの位置や数

ペニンシュラキッチンを導入する際は、作業しやすいようにコンセントの位置や数を決めておきましょう。

使い勝手の良いキッチンにするためには、動線上に複数のコンセントを設置する必要があります。

しかし、ペニンシュラキッチンの場合、動線上に十分な数のコンセントを設けられない場合もあります。

キッチン本体にコンセントがついているものを導入するか、背面カウンターのコンセントを使用しなくてはなりません。

希望の場所に必要数コンセントが設置できるか、あらかじめ業者に確認しておきましょう。

ここでは、ペニンシュラキッチンを取り扱っているメーカーを紹介します。

メーカーごとに機能性やデザインが異なるため、お好みのペニンシュラキッチンを探してみてください。

LIXIL

LIXILでは以下のペニンシュラキッチンを取り扱っています。

• リシェル
• ノクト
• シエラS

リシェル

^{引用元：lixil}

リシェルはセラミックワークトップを採用しており、耐熱性が高く傷や汚れが付きにくい特徴があります。

さまざまなオプションから自由に組み替えできる基本プランや、ワンランク上のプレミアムプランなど4つのパッケージプランから選べます。

ノクト

^{引用元：lixil}

ノクトは「わたしらしいをつくる場所」をコンセプトにした、住まいと暮らしに

フィットするデザイン性が人気のペニンシュラキッチンです。

ペニンシュラキッチンは収納の少なさがデメリットでしたが、ノクトは従来の1.3倍の収納床面積があり調理器具や食器の収納に困りません。

キッチンテーブルの有無を選択でき、キッチンテーブル付は２口コンセントが付きます。

シエラS

^{引用元：lixil}

シエラSはいつまでも飽きのこない、シンプルなスリムデザインワークトップが魅力のペニンシュラキッチンです。

基本プラン・スライドストッカープラン・開き扉プランの３つのパッケージプランがあります。

シエラSシリーズではシンクがステンレスか人工大理石のどちらかから選べるため、インテリアに合わせてお好みで選択しましょう。

タカラスタンダード

タカラスタンダードでは、２種類のペニンシュラキッチンがあります。

• エーデル
• レミュー

エーデル

^{引用元：タカラスタンダード}

タカラスタンダード社が独自に開発したホーローを使用しており、高い耐熱性や耐久性が特徴です。

鉄をベースに特殊なガラスでコーティングを施した素材のため、マグネットが付く性質があります。

マグネットを活用し、調理器具や調味料を浮かせて収納できる点が魅力の一つです。

レミュー

^{引用元：タカラスタンダード}

レミューはワークトップに高級人造石クォーツストーンを選択でき、デザイン性を重視する方におすすめです。

クォーツストーンは主成分に天然水晶（クォーツ）を使用した人造石で、人造大理石よりも１ランク上の高級感が魅力といえます。

レミューは以下のプランからお好きなプランを選択できます。

• シンプルプラン
• たっぷり収納タイプ
• きれいエリアタイプ
• おすすめプラン
• 薄型ワークトップ
• 対面プラン

ペニンシュラキッチンは開放的でLDKが広々と感じられ、キッチンでの作業中も家族とのコミュニケーションも取れるためおすすめのキッチンといえます。

アイランドキッチンと比べ設置スペースも少なく済み、レイアウトも数種類あるためお好みのキッチン空間が実現できます。

ペニンシュラキッチンはメーカーによっても機能性やデザインが異なるため、お好みのキッチンを探してみてください。

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