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お風呂リフォームの際に考えたい 浴槽の素材
浴槽の素材は、入浴の快適さとお手入れの行いやすさに影響します。
素材の特徴を把握していなければ、選ぶ基準が価格とデザインのみになってしまいます。製品カタログでは、それぞれの素材のメリットを紹介していますので、実際に使用すると、
デメリットの部分が気になってしまう場合もあります。
そのような事態を避けるために、今回のコラムでは浴槽に使用されることの多い素材の特徴をデメリットも含めてご紹介いたします。
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ユニットバスの主な素材 5種類
FRP(繊維強化プラスチック)
画像引用元:タカラスタンダードHPより
現在の住宅で使われている浴槽の多くがFRP素材です。
FRPとは「繊維強化プラスチック」または「ガラス繊維強化プラスチック」のことです。
柔らかく温かみがある樹脂素材で、耐久性や耐衝撃性、保温性もあり、軽量なのも特徴でしょう。
浴槽の他にも貯水タンクや野外のベンチにも使われています。
【メリット】
FRPは普及率が高く、製品のラインナップが豊富です。
自分好みの色やデザイン・サイズのユニットバスが見つかりやすいメリットがあります。
また、浴槽への傷やひび割れなどが発生した場合でも、他の素材の浴槽と比べ比較的安価に補修できる傾向があります。
【デメリット】
他の素材と比べて汚れが付きやすく、付いた汚れが目立ちやすい特徴があります。
汚れ防止用のコーティング加工が施されている製品も多くありますが、経年とともに剥がれてしまう
場合が多いため、美しい状態を保つには、定期的にコーティングをし直す必要があります。
毎日の入浴やお手入れの際にも汚れが付かないよう注意が必要です。
人工大理石
画像引用元:TOTO HPより
人工大理石とは、ポリエステルやアクリル製の樹脂を加工した素材です。
天然大理石のような温かみがあり、色や柄の種類も豊富です。
樹脂が原材料の人工大理石は、主にアクリル系とポリエステル系に分類されます。
- アクリル系・・・透明感や光沢があり、衝撃性や耐熱性などに優れるのが特徴
- ポリエステル系・・・アクリル系より性能や風合いなどが若干劣るが、比較的安価なものが多い
【メリット】
FRPと同様に普及率が高いく、製品の種類が豊富です。
また人工大理石は表面が滑らかな特徴があり、FRPと比べて汚れが付きにくいメリットがあります。
【デメリット】
製品にもよりますが、FRP製と比べると比較的高価になりやすい傾向があります。
機能面でも注意が必要で、人工大理石を使用している浴槽は一部の入浴剤が使用できないケースがあります。
ホーロー
画像引用元:タカラスタンダードHPより
金属の表面に釉薬(ゆうやく)と呼ばれるガラス質の層を焼き付けて仕上げた素材です。
【メリット】
ガラス質の素材であるため、保湿性・耐水性・耐熱性に優れています。
比較的カビの発生が起こりづらく、浴槽への汚れも付きにくい特徴があり、全体的に見た目が美しく、なめらかな質感も兼ね備えているのがポイントです。
【デメリット】
比較的高価になりやすい傾向があります。
また部分的な補修ができない場合が多く、経年劣化で浴槽のガラス質が剝がれ、そこからサビが発生した際にはユニットバスごと買い替える必要があります。
木製
主にヒノキなどの木材が有名です。
【メリット】
木材が持つ、天然由来の香りや肌触りを入浴時に楽しむことができます。
【デメリット】
木製の浴槽は、お手入れやメンテナンスが不足していると、すぐにカビが生えてしまいます。
近年は腐食を防ぐための加工や工夫がされている製品もありますが、それを踏まえても日々のお手入れが必要です。
また、他の安価な素材と比べて商品が高価になりやすい点にも注意が必要です。
ステンレス
ステンレスはタイル張りなどの在来工法のお風呂に設置する浴槽で使われることが多かった素材です。
ユニットバスの普及に伴い、在来工法自体が少なくなってきていることから、近年はステンレス素材を採用するケースは少なくなっています。
【メリット】
金属でできているため、耐久性が高く、サビの発生・変色・ひび割れなどが起こりづらく、
長く使い続けられる特徴があります。
【デメリット】
水垢が残りやすく、他のユニットバス素材と比べてもお掃除やメンテナンスが行いづらいデメリットがあります。
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まとめ
主な浴槽の素材の特徴を比較してみましょう。
種類 耐久性 汚れにくさ 価格の安さ FRP △ △ ○ 人工大理石 × ○ △ ホーロー ○ ○ △ 木製 × × × ステンレス ○ ○ × リフォーム予算をなるべく抑えたい方はFRP浴槽、浴槽の素材に特にこだわりがない・予算に余裕がある方は人工大理石・ホーロー素材の浴槽がおすすめです。
浴槽選びの際はメリットばかりに目を向けるのではなく、きちんとデメリットも把握しておきましょう。
また、「イメージしていた物と違う」ということを避けるため、カタログだけで決めるのではなく、
ショールームなどで実物に触れてみることをおすすめします。