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お部屋や2階を持て余していませんか?
結婚・出産・子育てと人生のライフステージは変化していきます。
お子様が自立し家を離れると、部屋や2階を持て余されているという方も多いのではないでしょうか?
厚生労働省の調査によると、65歳以上の世帯構成で夫婦2人のみの世帯、単独世帯は年々割合が増えており、6割弱の高齢者が1人または2人で生活をするようになっています。
このような場合、家の減築リフォームを行うことで暮らしがもっと快適に変化します。
今回のコラムは、家を小さくして快適に住まう減築リフォームについてご紹介致します。
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減築とは?
減築とは建物のリフォーム・改築の際に、床面積を減らすことです。
2階建て以上の住宅で階数を減らす、2階の床の一部を取り除いて吹き抜けを作る、
使用しなくなった部屋を丸ごと撤去する、といった工事はすべて減築に当たります。
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減築リフォームのメリット・デメリット
メリット
- 移動や家事の負担が減る
2階を減らす減築リフォームでは、階段を使用しての移動ががなくなることで、生活する上での移動負担が減るメリットがあります。それ以外でも家がコンパクトになる分、掃除などの家事負担が軽減されます。
- 光熱費や住宅のメンテナンス費を抑えられる
建物が小さくなり屋根や外壁部分が減るため、住宅のメンテナンス工事などにかかる費用や、
冷暖房費などの光熱費の削減効果があります。
- 耐震性が上がる場合がある
家は重量が軽ければ軽いほど、耐震性が高くなります。
地震で家が揺さぶられる際、家が重いとその重量分の力で揺さぶられることになるため、
ダメージが大きくなってしまいます。
上階の部屋を減らす・撤去して平屋にするといった減築の場合、家の重量は軽くなるため
揺さぶられる力は小さくなります。
さらに上階の重さが減り、家の重心も下がるため、その点でも耐震性は増す効果があります。
- スペースを活用できる
減築リフォームにより床面積を減らすことで、新しく活用できるスペースが生まれます。
駐車スペースを設けたり、広いウッドデッキを設置したりと、活用できます。
デメリット
- 費用が高額になる場合がある
減築リフォームを行うには既存の建物を解体しなければなりません。
解体には作業における費用以外にも、足場の設置台や廃材の処分代などの費用が発生します。
外壁や屋根にも手を加える必要もあるため、最終的に予想していたよりも高額になる可能性があります。また、築年数が経過した住宅では、解体時にシロアリ被害が発覚するケースもあるため注意が必要です。
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減築リフォームの方法 6パターン
画像引用元:国交省「減築による地域性を継承した住宅・住環境の整備に関する研究 」
- 平屋の一部を減らす
- 1・2階部分を同様に減らす
- 2階の一部を減らす
- 2階全てを除去
- 2階建ての1階の一部の除去
- 2階建ての2階床の一部の除去(吹き抜けにする)
1階部分を減らす減築リフォームは、庭が広く取れることで採光や通風が効率よく確保できます。
また家同士が密集している場合、近隣の家との距離も確保しやすくなります。
2階を全部除去する減築リフォームは、階段が無くなるため家庭内で起こる事故を防ぐ効果があります。
さらに1階のみでの生活動線はバリアフリー化がしやすく、高齢者にとって暮らしやすい住まいとなります。
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減築リフォームの注意点
減築前の広さに戻せない場合がある
用途地域の見直しにより、家を建築した当時に比べて現在の建ぺい率や容積率が狭くなっているケースがあります。
そのような場合、一度減築リフォームをしてしまうと以前の広さに戻せなくなるため、注意が必要です。
登記申請が必要
減築工事は家の床面積が変わるため、規模にかかわらず、登記申請を行わなければなりません。
変更のあった時から1ヶ月以内に申請する必要があり、手続きの際には費用がかかります。減築と増築を同時に行う場合減築と増築を同時に行う場合は増築とみなされます。
2階を減築して、1階部分を増築したい・減築した場所に、ガレージや物置を設置したい
といった場合も、増築に当たります。
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まとめ
自身が高齢になるほど、大きすぎる家は負担が大きくなっていく場合があります。
親と子が別々の世帯で住むことが一般化してきた現在、減築によるリフォームは現代に合ったリフォーム方法の1つであり、家を持て余すことなく、家事やメンテナンスへの負担を軽くすることができます。
またコンパクトで暮らしやすい家、採光・通風に優れている家・耐震性に優れた家へとリフォームすることができ、安心で快適な暮らしを手に入れるためのひとつの方法と言えるでしょう。
減築リフォームは規模の大きな工事になりがちですが、大きなメリットがいくつもあります。
「大きい家の掃除やメンテナンスが大変」「夫婦2人でちょうど良い住まいにしたい」と思われている方は
減築リフォームを検討されてみてはいかがでしょうか?