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日本各地で甚大な被害をもたらしている水害
近年夏になると日本各地で大雨が降り、人や建物に大きな被害をもたらしています。
岡山県・広島県福山市でも、2018年の西日本豪雨が記憶に新しいかと思います。
岡山県では住宅8000棟以上が全半壊し、家屋の風水害では戦後最悪の大惨事となりました。
決して人事とは思えない水害被害、今回のコラムは住宅への被害を軽減させる方法や、
有効なリフォームについてご紹介致します。
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水害の種類
水害には
- 河川の氾濫で浸水する”外水氾濫”
- 雨を処理しきれずに水があふれる”内水氾濫”
の2種類があります。
外水氾濫は台風や大雨によって河川が氾濫し、田畑や住宅に浸水することです。
大量の水が一気に住宅地に流れ込むため、河川に隣接する地域全体が水没するなど、
短時間で非常に深刻な被害をもたらします。
内水氾濫は、雨を処理しきれずに水があふれてしまう状態です。
主な原因としては、下水道の能力不足です。
短時間で大雨が降ると、排水路や下水管の処理能力を超えてしまい、内水氾濫が発生しやすくなります。
西日本豪雨 岡山県の被害深刻な被害を受けた真備町は、堤防決壊による外水氾濫、
岡山市平島地区では、大雨で用水路の処理能力を超えたことが原因の内水氾濫が起こりました。
岡山県は干拓地も多く、豪雨の際は近くに川がなくても内水氾濫で浸水被害を受けるリスクが高い
地域があります。
有事の際に迅速に行動できるよう、ハザードマップを確認しておくとよいでしょう。
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日ごろから行える水害対策
- 住宅の周囲の安全を確認する
大雨による被害を拡大させないために、まずは定期的に住宅の周囲に以下のような不具合がないかを確認してみましょう。
- 外壁のひび割れや亀裂があるか(雨漏りの原因となる)
- 窓ガラスにひび割れがないか・建付けが悪くなっていないか
- 瓦を固定する材料や金具の不具合が起きていないか
- 雨風の影響で瓦やトタンが劣化していないか
- 雨樋や排水路に落ち葉や砂が詰まっていないか
確認後不具合が生じているでのあれば、業者へ連絡し確認・補修を行いましょう。
- ハザードマップや避難場所を確認する
各自治体のホームページで公開しているハザードマップを必ず確認しておきましょう。自宅周辺の浸水リスクは高ければ、浸水対策に効果があるリフォームの検討をおすすめします。
また災害が起こった際には家族と連絡が取れなくなる事態も考えられます。
万が一に備え、家族全員でハザードマップを参考に、落ち合う避難場所も決めておくとよいでしょう。
岡山県・広島県福山市のハザードマップ岡山県の各地域・広島県福山市のハザードマップURLです。
災害が起こった場合に備え、ご家族で確認してみましょう。
【岡山県市町村 ハザードマップ】
https://www.pref.okayama.jp/page/detail-27327.html
【広島県福山市 ハザードマップ】
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/kikikanri/147940.html
- 土のうや水のうを準備しておく
水害の際、土のうや水のうは大変役立ちます。
土のうは住宅への浸水を防ぐため、水のうは、内水氾濫の際に便器の中やお風呂、洗濯機の排水口へ乗せることで、下水の逆流を防ぐ効果があります。
事前に準備しておくことで、被害を最小限に抑える効果があります。
身近な物で簡単に作れる!水のうの作り方・45リットルほどのポリ袋を2枚準備
・ポリ袋を2重にし、水を3分の1から半分ぐらいまで入れる
・空気を抜きながら口をきつくしばる。
水のうは家庭にある物で簡単に準備ができ、片付けも簡単です。
ダンボールに水のうをいくつか入れ、ブルーシートで覆うことで
簡易的な防水壁にもなりますし、災害時に水が引いたものの水道が止まっている場合には、
水のうの水を利用できます。
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水害対策に効果があるリフォーム
- 雨樋を強化する
雨樋は雨水を集め、排水する役割があります。
そのため雨樋が劣化している場合、室内への浸水の原因となります
雨樋は素材によって効果や寿命も変わるため、豪雨に強いスチール製の製品がおすすめです。
- ルーフィングの確認
ルーフィングとは屋根材の下に敷く防水シートのことです。
屋根材で防ぎ切れなかった雨水の浸入を防ぐ効果があります。
ルーフィングの寿命は使っている製品によって違いはありますが、約10年と言われています。
劣化が起きていれば雨漏りの原因となります。
屋根や住宅を長持ちさせるためにも重要なため、定期的に業者へ確認してもらいましょう。
- 止水板の設置
画像引用元:小野工業ホームページより
浸水対策へ効果が高い止水板。
主に玄関などへ設置し、雨水の侵入を防ぎます。
土のうや水のうを準備する必要もなく、簡単に取り外し可能な製品もあります。
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まとめ
大雨による住宅への被害を抑えるためには、日ごろからの点検とメンテナンスが重要です。
実際に大雨が起こり被害を受け業者へ修繕を依頼しようとしても、同じ地域での修繕依頼が殺到する場合が多く、迅速に対応できないケースもあります。
いつ起こるか分からない災害だからこそ、事前に行える対策を検討・実行することが重要です。