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再び流行の兆し?壁付けキッチン
近年キッチンレイアウトは対面式キッチンが主流となっています。
リビングにいる家族ともコミュニケーションがとりやすく、キッチンに立った際の開放感などが人気のポイントでした。
しかし、そんな対面式キッチンとは相反する壁付けキッチンの人気が復活しています。
壁付けキッチンといえば日本のキッチンでは定番のスタイルですが、対面式キッチンと比較すると
どのようなメリットがあるのでしょうか?
今回のコラムでは人気が再燃しつつある壁付けキッチンについてご紹介致します。
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なぜ壁付けキッチンよりも対面式キッチンが人気だったのか?
画像引用元:クリナップホームページより
壁付けキッチンが普及したルーツは、日本の戦後復興住宅に採用されたレイアウトが元になっています。
対面キッチンが主流になる前は日本のキッチンはほとんどが壁付けキッチンでした。
なぜ対面式キッチンが主流になったのか。大きな理由としては以下の3点。
- インテリアデザインのこだわりが一般化し、キッチン=隠す場所という認識が変化した
- 配膳・片付けといった家事動線の短縮
- コミュニケーションの取りやすさ
共働き世帯の増加でキッチンでの作業を効率化し、忙しい中でも作業しながら家族とコミュニケーションがとれる対面式キッチンはまさに時代の変化に適応したスタイルでした。
キッチンデザインの選択肢の増加も相まって、キッチンは隠す場所からリビング・ダイニングと同様のオープンな場所に変わりました。
しかし対面式キッチンにもデメリットは存在します。
対面式ではなく壁付けキッチンを導入される方が増えてきていますが、
どのようなメリット・デメリットがあるのかを下記でご紹介していきます。
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壁付けキッチンのメリット
リビング・ダイニングを広く使える壁付けキッチンのメリットは、部屋のスペースを無駄なく活用できる点です。
部屋の端に配置できる壁付けキッチンは、アイランドキッチンなどと比べるとデッドスペースが生まれにくいため、その分リビングやダイニングを広く使えます。
狭い部屋や細長い部屋でもレイアウトしやすく、柔軟に対応できます。
ダイニングテーブルへの動線が短い対面式キッチンではダイニングテーブルへの配膳や片付けの際、大きく回り込む動線になりがちです。壁付けキッチンは、背後がすぐにダイニングテーブルという配置が多いため、導線が短いというメリットがあります。
ニオイや汚れがリビング・ダイニングへ広がりにくい壁付けキッチンは正面の壁が油の飛び散りを受けてくれます。
壁にキッチンパネルを取り付けておけば汚れも簡単に拭き取ることができます。
また、コンロも壁に向かって設置されているので、ニオイがリビングダイニングまで広がりにくくなっています。
作業に集中できる壁付けキッチンはリビングダイニングが目に入らない配置なので、作業に集中できます。
最近ではリビング・ダイニングと一体化したオープンなキッチンではなく、独立した空間にしたいという方が増えています。
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壁付けキッチンのデメリット
キッチンが丸見えになってしまう壁付けキッチンは、リビングやダイニングからキッチン周りが丸見えになりがちです。
キッチン周辺が散らからないよう配慮したり、収納の工夫が必要になってきます。
家事動線が悪くなる場合がある壁付けキッチンは対面式キッチンと異なり、収納棚や冷蔵庫はキッチンの横への配置が多くなります。
特に一般的なI型の場合、家事動線が横に長い一直線になってしまい、作業時の移動が多く効率が悪くなる場合があります。
デメリットへの対処法
- キッチンが丸見えになってしまう
画像引用元:ディノスオンラインショップホームページより
⇒スペースに余裕がある場合は腰の高さ程度の間仕切りカウンター設置をおすすめします。
リビングダイニングからの支線も遮ることができ、収納スペースも確保できます。
- 家事動線が悪くなる場合がある
⇒L型キッチンをおすすめします。
L型キッチンはシンクとコンロが直角に配置されており、一直線のI型と比べ、
作業動線が短縮できます。
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対面式キッチンとの比較
メリット
デメリット 壁付け
・作業に集中できる
・臭いや煙がLDへ広がりにくい
・限られたスペースでも間取りを考えやすい・手元が丸見えになる
・複数人では作業しにくい対面式
・コミュニケーションが取りやすい
・手元がLDから見えにくい
・複数人で作業しやすい・臭いや煙がLDへ広がりやすい
・配置によってはキッチンへの動線が悪くなる
・狭いスペースでは非効率壁付けキッチンと対面式キッチンのメリット・デメリットはほぼ真逆となっています。
しかしリフォームは新築と違い、スペースの確保や設置条件が厳しいケースが多々あります。そのような場合は柔軟に対応できる壁付けキッチンがおすすめです。
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まとめ
近年人気が復活しつつある壁付けキッチンは、主流だった対面式キッチンとは正反対の特徴を持っています。そういった点が、対面式キッチンが向いているライフスタイル以外の方の支持を集めていると思われます。
キッチンはインテリアの一部として考える方も増えてきており、デザイン性を重要視される方も多くいらっしゃいますが、長く使うキッチンだからこそそれぞれの特徴を理解して、ご自身の使い方に合ったキッチンを選んで頂きたいと思います。